子どもから大人まで目の不調を感じる人は年々増加していると言われています。ただ、健康診断で「要再検査」と指摘されても病院に行かずに放置してしまっている・・。そんな方も少なからずいるのではないでしょうか。
眼科検診は、目の病気の早期発見だけではなく、目以外の疾患が見つかることもあるため、定期的な受診がとても大切です。今回はそんな眼科検診の重要性について小沢眼科内科病院の石川恵里先生にお話しいただきました。また、同病院で視能訓練士として勤務されている高橋慎也さんには訓練士の仕事内容や役割についてお話しいただきました。
お話を聞いたのは
目の不自由さを感じている人は40歳以上で約40パーセント

――眼科検診では、どのような検査を行うか教えてください。
通常の健康診断で実施する検査は主に視力と眼圧、眼底写真撮影の3つが多いと思いますが、視力検査は視力低下の背後にある重大な疾患の発見につながります。また、眼圧検査も緑内障のリスク評価に有用です。眼底の写真撮影は目の血管の状態や動脈硬化の進行具合を把握するのに役立ち、眼底出血がある場合は糖尿病や高血圧による合併症の可能性を考えることができます。
ただし、これらの検査はあくまでも異常を見つけるためのものであり、病気の重症度まではわかりません。そのため、健診で引っかかった際は必ず眼科を受診し、詳しい検査を受けていただきたいです。
――目の健康を維持するためには、まずは目の状態を知ることから始める必要がありますね。
日本眼科啓発会議の調査によると、健康面で最も不自由を感じるところは目だと回答した人が40歳以上で約40パーセントもいることがわかりました。
老眼を自覚し始める時期でもあり、「なんとなく見えづらい」「目が疲れる」といった不調を訴えやすい傾向があります。それにもかかわらず、目の不調に対して対策をしている人はわずか23パーセント程度と非常に少ないのが現状です。目の検査は非常に専門性が高いため、自覚症状がなくても定期的に眼科を受診することが非常に重要だと考えています。
半年から一年に一度は、専門的な検査を

――眼圧の数値に異常があった場合、どんな病気が潜んでいる可能性があるでしょうか?
眼圧が高い場合は緑内障が疑われます。緑内障は眼圧が高い状態が慢性的に続くことによって視神経に血流障害が生じ、徐々に神経が痩せていく病気ですが、かなり進行するまで視野異常に気づきにくいのが特徴です。眼圧が高いと指摘された場合は、視神経の状態を詳しく確認し、視野検査で病期を評価する必要があります。
眼圧が高いからといって必ずしも緑内障というわけではありませんが、まずは検査を受けることが重要です。
――「中間透光体混濁」で要受診となった場合に考えられる病気についてもご解説をお願いいたします。
目の中の水晶体、いわゆるレンズが濁ることで眼底写真では写真全体に霧がかかったようにぼやけて写ることがありますが、これが中間透光体混濁です。
ここで最も疑われる病気は白内障ですが、水晶体には問題がなくても目の表面にある角膜が変形していたり、水晶体の裏にある硝子体に濁りが生じていたりするなど他の病気の可能性もあります。
――ここまでのお話をふまえて、眼科健診はどのくらいの頻度で受診するのが良いでしょうか?
全く症状がなくても半年から一年に一度は、眼科で専門的な検査を受けていただけると安心かなと思います。学校や職場で年に一度は健診を受ける機会があると思いますが、何か指摘があれば必ず眼科を受診して早期発見につなげることが大切です。
軽症から重症まで網羅的に対応が可能
――小沢眼科内科病院の強みや他の病院・クリニックとは違う点について教えてください。
眼科の治療においては手術をおこなうことが多いですが、当院では様々な分野の手術に幅広く対応しています。また、入院施設もあるため、遠方の患者さんにも専門的な治療を提供できます。
地域の皆さまが気軽に受診できる体制を整えつつ、重症例にも対応できること、そして各分野の専門医が在籍していることが強みです。
――石川先生の専門領域や強みについて教えてください。
眼瞼や涙道といった眼球の周囲にある付属器官を専門としています。まぶたが下がり視野に問題が生じている患者さんの機能改善のための手術をおこなったり、涙の通り道が障害を受けて涙があふれてしまう涙目(なみだめ)に対する手術を多く実施しています。
――最後に来院を検討している患者さんへメッセージをお願いします。
目の病気は早期発見が非常に重要となります。見える力を保つことは、生活の質を大きく左右します。この記事をきっかけに目の健康に意識を向けていただき、受診の機会につながればうれしいです。
また、当院では40歳以降を対象として、目の健康状態をより詳しく検査する「眼科ドック」も新しく導入しますので、目の健康への意識が高い患者さんのニーズにも応えられるように取り組んでいきたいと考えています。目に関して何か気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
視能訓練士の役割は「適切な視力検査を実施すること」

――視能訓練士とはどのような仕事でしょうか?、加えて視能訓練士が病院にいるメリットについても教えてください。
視能訓練士の業務は大きく「視能矯正」「視能検査」「検診」「ロービジョンケア」の4つです。ロービジョンケアとは視覚に障害があり生活に支障をきたしている人に対して日常生活を送れるようアドバイスやデバイスの活用を提案し、生活の質の向上をサポートすることです。
また、視能訓練士は医師の次に眼科に特化した専門的な知識を持っています。100種類以上あると言われる検査を正確に実施して、それを診断につなげられる点がメリットだと思います。
――お仕事の中で特に力を入れていることは何でしょうか?
一つに絞るのは難しいですが、中でも特に視力検査には力を入れています。患者さんに単にランドルト環(Cの形)のどこが空いているかを答えてもらうだけでなく、視能訓練士が正確な屈折異常の検査を実施します。
特に乱視の検査は重要です。患者さんとコミュニケーションをとり、正確な検査を行うことで患者さんの理想の見え方に近い矯正を導き出すことが期待できます。また、測定結果に基づき患者さんに適切な眼鏡やコンタクトレンズを合わせることは視能訓練士の仕事において基本となります。
専門性の高さを活かし、全世代の目の健康をフォロー

――患者さんからはどんな相談を聞くことが多いですか?
「見えにくい」といった症状は日常的にお聞きしています。ただ、見えにくいと言ってもかすみやゆがみ、二重に見えるなど症状は様々です。それが目の問題なのか、眼鏡やコンタクトレンズの問題なのかを見極めるためにも患者さんから症状を詳しく引き出すことが重要だと考えています。
――最後に来院を検討している患者さんへメッセージをお願いします。
当院には大勢の視能訓練士がいますが、お住まいの地域によっては視能訓練士がいない眼科もあるかもしれません。そのような場合、看護師さんやスタッフの方が眼科検査を担当されると思いますが、やはり眼鏡やコンタクトレンズを合わせたり、白内障手術における度数の計算をしたりといった専門的なことは視能訓練士が特化しています。
当院に来院された方に対しては私たち視能訓練士が正確な検査をおこない、お子さんからご高齢の方までみなさんの目の健康をしっかりとフォローさせていただきます。
――落ち着いた雰囲気でこちらからの質問に対しても的確に回答いただく姿が印象的だった石川先生と、サービス精神旺盛で終始はつらつとお話しいただいた高橋さん。患者さんの健康を願う姿勢や気持ちはしっかり共通していました。
(取材:メディコレ編集部)
提供:クーパービジョン・ジャパン株式会社
