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便潜血検査とは何か?

Q. 便潜血検査とはどんな検査ですか?

便潜血検査は、便の中に微量の血液が含まれていないかを調べる検査です。
便潜血検査の概要
便潜血検査とは、便の中に肉眼では見えない微量の血液が含まれていないかを調べる検査です。主に大腸がんやポリープなど消化管の異常を早期発見する目的で行われます。
日本では、会社の健康診断や自治体のがん検診などで幅広く導入されており、検査精度や手軽さから多くの人が受けています。
この検査を受けることで、早期発見・早期治療につなげることができ、健康維持に大きなメリットがあります。
検査の目的と重要性
<目的>
便潜血検査の最大の目的は、大腸がんをはじめとする消化管疾患の早期発見です。
大腸がんは国内外で主要な死因のひとつであるため、定期的なスクリーニングが推奨されています。
<重要性>
便に微量の血液が混ざることで、ポリープや炎症、痔、さらには大腸がんなどのリスクを早期に察知できます。
特に症状が出ていない初期段階で発見できれば、治療の選択肢が広がり、予後の改善が期待できます。
また、家族歴がある方や健康意識の高い若い世代でも、簡便かつ安全に受けられる点が魅力です。
便潜血検査は、健康管理の第一歩として誰にとっても重要な役割を担っています。
便潜血検査の対象者と受検方法

Q. 便潜血検査の対象者はどんな方が多いですか?

便潜血検査は、50歳以上や大腸がんの家族歴がある方、定期健康診断を受ける方などが主な対象です。
便潜血検査が推奨される人々
・50歳以上や大腸がんの家族歴がある方
・会社員の定期健診や、若年層・胃腸に不調がある方
最近では、食生活の変化やストレスなどにより若年層の大腸疾患リスクも増しているため、年齢に関わらず気になる方は積極的に検診を受けることが重要です。 検便を通じて、病気の早期発見につなげることができ、ご自身の健康を守るきっかけとなります。
便採取の手順と注意点
<便採取の手順>
①検査キットに同封されている専用スティックや容器を準備します
②説明書の指示に従って便を採取します
③一度に多量の便を採取せず、異なる部分から少量ずつ取り分けます
<注意点>
・尿や水が便に混ざらないように注意してください
・痔や生理中、歯ぐきからの出血がある場合は、検査結果に影響する可能性があります
・採便後は速やかにキットを提出してください
・保管方法にも注意し、指示に従ってください
これらを守ることで、検査の信頼性を維持し、正確な早期発見につながります。
便潜血検査が陽性だった場合の対処法

Q. 便潜血検査が陽性だった場合はどうすればいいですか?

便潜血検査が陽性の場合は、速やかに医師の指示を仰ぎ、追加の検査を受けることが大切です。
陽性結果の理由とその後のステップ
便潜血検査の結果が陽性だった場合、主な理由には大腸がんやポリープのほか、痔・炎症などが考えられます。
陽性だからといって必ず重大な病気とは限りませんが、自己判断せず必ず医師の指示に従いましょう。
<陽性後のステップ>
①まずは再度便潜血検査を受ける
(初回陽性の場合でも、再検査で確認することが推奨されます)
②継続して陽性の場合は、大腸内視鏡検査による精密検査を実施
(異常の有無を確定するために、次のステップとして大腸内視鏡検査が必要です)
③内視鏡検査で異常部位や原因を直接確認し、必要ならその場で治療
(ポリープ切除など、検査中に治療が可能です)
早期発見による生活の安心感や、実際の疾患の有無を明確にできるため、次のステップを確実に実施することが健康管理の大切な要素です。
大腸内視鏡検査のすすめ
便潜血検査が陽性となった場合、大腸内視鏡検査の受診が推奨されます。
早期発見による安心感を得たい方は、内視鏡検査を積極的に検討しましょう。医師と相談し、自身の健康維持に役立てることが重要です。
便潜血検査と大腸内視鏡検査の違い

Q. 便潜血検査と大腸内視鏡検査の違いはなんですか?

便潜血検査はスクリーニングに役立つ簡易検査、大腸内視鏡検査は精密な診断に用いる検査です。
便潜血検査のスクリーニング役割
<便潜血検査>
主に症状が出ていない段階で大腸がんやポリープなどの異常を効率よく選別するスクリーニング検査です。
専用キットによる採便は簡単で負担が少なく、定期健康診断などでも広く採用されています。
<検査の特徴>
微量な血液の検出を通じて、病気の早期発見につなげる点が大きなメリットです。
侵襲性がなく自宅でも実施できるため、多くの人が定期的に受けやすいのが特徴です。
スクリーニングにより、異常の可能性がある方だけを精密検査へ誘導することで医療効率が向上し、社会全体の健康リスク低減にも寄与します。
大腸内視鏡検査の診断役割
<大腸内視鏡検査>
肛門から細い管を挿入し、大腸の内部を直接観察できる診断方法です。
これにより、ポリープや大腸がん、炎症や出血の原因まで正確に調べることができます。また、検査中に異常が見つかればその場で治療や検体の採取も可能です。
<検査の特徴>
大腸内視鏡検査は検査精度が高く、病変の大きさや性質も把握できるため、便潜血検査で得られた情報をさらに詳細に確認する役割を持っています。
大腸内視鏡検査検査はスクリーニングで拾い上げた異常を明確に診断するための重要な手段です。多くの場合、検査中にポリープの切除や組織検査も同時に行えるため、早期治療にもつながります。
便潜血検査の陽性や疑わしい症状がある方は、医師と相談し、正確な診断を受けることが健康維持のために大切です。
画像出典:https://www.yodoyabashi-endoscopy.com/blood-in-stool/
陽性結果の原因となりうる疾患

Q. 陽性結果の場合、どんな疾患が考えられますか?

便潜血検査の陽性結果は、大腸がんやポリープ、痔、炎症など複数の疾患によって起こります。
大腸がん
便潜血検査の陽性は、大腸がんの早期発見に直結することがあります。大腸がんは初期には自覚症状が少ないため、便の中に微量な血液が混ざることで潜在的な病変をいち早く検出できます。
日本では大腸がんが主要な死因のひとつとされており、年齢や家族歴などリスク要因がある方はとくに注意が必要です。検便の結果が陽性だった場合、早めに大腸内視鏡検査など精密検査を受けることで、治療の選択肢も増え、予後改善にもつながります。
早期発見が生存率向上のカギとなるため、定期的な検査を怠らず行うことが重要です。健康維持のための第一歩として、便潜血検査の活用をおすすめします。
ポリープ
便潜血検査の陽性は、腸内ポリープが存在するサインになる場合があります。ポリープは初期にはほとんど症状がありませんが、時として出血し、便中に微量の血液が混じることがあります。このポリープが放置されると将来的に大腸がんへ進行するリスクが高まります。
早期発見によって内視鏡検査でポリープを発見し、必要に応じて切除できるため、定期的なスクリーニングは非常に有効です。検査精度を高めるため、正しい採便方法を守ることも大切です。ポリープがある場合は医師の指示に従い、精密検査や必要な治療を受けることで、健康維持が可能となります。
痔
痔は便潜血検査の陽性原因として非常によくみられます。肛門や直腸の血管が傷ついたり炎症を起こすことで、便に血液が混じる場合があります。痔による出血は一時的なものとなることも多いですが、検査結果が陽性でも必ずしも深刻な疾患とは限りません。
しかし、症状が繰り返しある場合や、便の色や形に異変がある際は注意が必要です。検査精度を高めるためにも、痔の状態や出血の有無を自己申告し、医師と相談しながら適切な対応をとることが重要です。不安な場合は大腸内視鏡検査を受けることで、他の病気の可能性も含めて安全・安心を得ることができます。
便潜血検査の精度と信頼性

Q. 便潜血検査の精度や信頼性について教えていただけますか?

便潜血検査は高い検査精度を持ちますが、偽陽性や偽陰性のリスクも存在するため注意が必要です。
検査のメリットと限界
<メリット>
・体への負担が少ない
・検査精度が高く大腸がんなど重大な疾患の早期発見につながる
・短時間かつ自宅でできる
しかし一方で、痔による一時的な出血や炎症などが原因の場合もあり、必ずしも大腸がんやポリープとは限りません。また、ごく初期の小さな病変の場合は検出しにくく、偽陰性や偽陽性のリスクもあります。限界を踏まえて、異常時は必ず医師の診断を仰ぎ、精密検査を組み合わせて受けることが重要です。
偽陽性と偽陰性のリスク
便潜血検査には、偽陽性と偽陰性のリスクが存在します。
<偽陽性>
検査結果が「陽性(異常あり)」と出たにもかかわらず、実際には病気や異常がない状態を指します。
これは、痔や一時的な炎症、歯ぐきの出血など消化管以外の要因で便に血液が混じることで起こります。
<偽陰性>
実際に病変があるにもかかわらず検査で血液が検出されない状態を指します。
これは、検査精度や便採取のタイミング、病変の位置や大きさなど複数の要因によって生じます。
偽陽性や偽陰性を防ぐためにも、正しい手順で採便し、継続的なスクリーニングや医師の診断を併用することが大切です。 便潜血検査結果だけに頼らず、必要に応じて大腸内視鏡検査等も受けて安心感を得ましょう。
まとめ:便潜血検査を定期的に受ける重要性
便潜血検査は簡単で手軽ながら、大腸がんやポリープ、痔などの疾患の早期発見に大きく寄与します。検査精度やスクリーニングの役割を理解し、定期的な検査を受けることで健康維持と安心感を手に入れることができます。
定期検診を生活に取り入れ、万一陽性時も冷静に次のステップへ進めば、未来への安心が広がります。ご自身やご家族の健康管理をより充実させるためにも、便潜血検査を活用してください。
