【今日からデキる!】医師が教える「冷え性」のセルフケア5選 - "冷え"によくない飲み物とは?

2024/01/09 17:46公開

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あっという間に秋から冬に。寒さが本格化する中、「冷え性」に悩まされている人もいるのではないでしょうか。「部屋は暖かいはずなのに、なぜだか体が冷えている」「手足が冷たくて眠れない」など、冷えの辛い症状に困ってはいませんか? 今回は徳島赤十字病院の郷 正憲先生に、冷え性の原因や改善策を伺います。ぜひ、日々の生活に対処法を取り入れて、冷えた体を温めてみてください!


■冷え性とは?


――そもそも冷え性とはどんな症状ですか?


冷え性は足や手の末端が冷たくなってしまう症状です。もともと人は体の中枢部分である脳や内臓部分の温度を一定に維持しなければ、内臓の機能が低下してしまいます。そのため、さまざまな機構を利用することで中枢の体温を維持しようとします。

その機構のうちの1つが、手足の末梢(まっしょう)にある毛細血管の血流を減少させるという方法です。四肢末梢の血管が拡張してしまうと、そこに温かい血液が多く流れます。しかし、温かい血液が末梢を通過するときに外気によって冷やされてしまうと、血液が中枢部分に戻ってきたときにその部分の温度を下げてしまいます。

そこで、体は外気温が寒いときには手足の毛細血管を収縮させて血流を低下させることで体温が放出されるのを防ぎ、中枢の体温を維持しようとするのです。これ自体は正常な反応なのですが、冷え性の人はこの反応が過剰に起こってしまったり、体全体で熱を産生する機能が低下していたりしています。それにより、中枢の体温を維持しようと過剰に血管が収縮し、四肢末端が冷たくなってしまうのです。


■なぜ冷え性になってしまうの?

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――冷え性の原因について教えてください!


冷え性が起こってしまう原因としてはいくつかあります。

1つ目は、体温を産生するための基礎代謝が低下している場合です。人は筋肉を収縮させたり、さまざまな代謝を行ったりすることで熱を産生します。しかし筋力が低下したり、種々の代謝が低下してしまったりしていると、熱の産生が減少し、体全体が冷えてしまいます。結果として、末梢の血流が過度に悪くなり、冷え性となります。

2つ目は、自律神経系の異常です。血管を収縮させるのは自律神経の一種である交感神経の働きです。ストレスをはじめ、さまざまな自律神経の異常をきたす状況によって交感神経が異常に活性化してしまうと、四肢の血管が収縮してしまい、冷え性となってしまいます。ほかにも食生活の乱れや、血液の原料である鉄分の不足によって冷え性になってしまいます。


■自分でできる対処法5つ


――では、そんな冷え性の対処法を教えてください!


対処法1:筋力をつける


激しい筋トレではなくても、普段の日常生活を苦労なく維持できる程度の筋力があると、熱の産生力が上がり、体温が上昇します。その結果、冷え性の改善が期待できます。


対処法2:栄養を十分取る


熱を産生するには食物から得られた栄養素を分解し、消費することが必要です。また、ビタミンやミネラルといった物質は、体内での代謝に必要な物質です。それらの物質を取ることで体内での代謝を活性化させ、体温産生を促します。


対処法3:体を温める食物を摂取する


前述の栄養を取るというのに加えて、食事の内容にも工夫をしてみましょう。一般に体を温めると言われるようなココアやショウガは、体の中での熱産生を助けるため冷え性の改善になります。一方で、カフェインを多く含むコーヒーや紅茶などを取ることは交感神経の活性化により冷え性をひどくしてしまう可能性があるので注意しましょう。


対処法4:入浴

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体温を上昇させるために、温かいお湯にゆっくりつかる入浴がおすすめです。ただし、熱いお湯に入ってしまうと、熱くてすぐにお風呂から出てしまう可能性があります。これでは体の表面が温まるだけで、体全体の体温は上がりません。温かいお湯にゆっくりつかって体の中心まで温まることで、冷えの改善につながります。また、半身浴も効果的です。


対処法5:ストレスを発散する

ストレス発散は冷え性の改善に役立ちます。休みを取って一日ゆっくりするのが理想的ですが、なかなかそうもいかないことも多いはず。そんなときは、寝る前に少しストレッチをしてみるのはどうでしょうか。ストレスを改善するだけではなく、睡眠の質を改善するなどの効果が期待できます。




ストレス発散など今日、いや今からでもできることがあったはず。記事を参考に、日々の生活に改善策を取り入れて、みなさんも”冷え”とおさらばしてみてはいかがでしょうか。



監修者 : 郷 正憲(ごう まさのり)先生

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徳島赤十字病院 所属
保有免許・資格:日本麻酔科学会専門医、ICLSコースディレクター、JB-POT
著書:看護師と研修医のための全身管理の本


※この記事は、マイナビニュースに2022年12月11日に掲載されたものを転載しております。
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