「在宅生活の味方でありたい」井上哲先生【ホームアレークリニック本院】

2024/04/16 10:55公開

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2025年には29万人が必要とするとされる在宅医療。実際に自分や家族が受けるとなると、どのような人柄の先生が自宅に来るのか気になりますよね。

今回は、東京城南エリア(港区・目黒区・品川区・太田区)と城西エリア(渋谷区・世田谷区)の在宅医療・訪問診療を担う医療法人社団ホームアレーの「ホームアレークリニック本院」の院長、井上哲先生にお話を伺いました。「在宅生活の味方でありたい」というクリニックのモットーを実現する裏側には、井上先生の強い思いがありました。

元プログラマー!異色の経歴を持つ井上哲先生(ホームアレークリニック本院 院長)


――本日はお時間をいただきありがとうございます。早速お話を伺って行きたいのですが、井上先生は少しユニークなキャリアをお持ちとのことですが?


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そうですね。実は私の社会人としての最初のキャリアは、プログラマーなんです。在庫管理や給与管理のシステム維持メンテナンスに関わっていましたよ。


――医療・ヘルスケアと全く違う業界だったのですね!そこから医師にキャリアチェンジをしたきっかけはあったのでしょうか?


元々私の家系は、祖父も父も医師でした。ですから、医師になることは自然な流れだったのですが、一旦は親への反発もあって、他の道を目指してみたんです。プログラマーから医師の道に進むことを考えたきっかけは、私の弟2人も医学部ではない学部にそれぞれ進学することになった時です。父親が「うちの子供は誰も医者にならなかったなぁ」と口にしたんですね。実はちょうどプログラマーの仕事をこのまま続けていいのか考えているタイミングでした。さらに言うと、当時付き合っていた彼女に振られて人生を考え直そうと思っていたタイミングでもあったんです(笑)。

こういうわけで医師になることを考え始めると、私の心の中にモノではなく人を相手にしたい、という思いがあることに気がつきました。結果として、私は24歳の春に会社を辞めて1年間予備校に通い、25歳の春に医学部に入りました。


――会社を辞めて1年だけ勉強して医学部に入学できたのはすごいですね。


流石にこの1年は相当勉強しましたね。それこそ10時間くらい毎日机に向かっていましたよ。私はプログラマーになったぐらいパソコンを触るのが好きなのですが、この1年間はパソコンも封印してネット断ちしていました。友人には「ちょっと1年くらい音信不通になるから」と伝えていましたね。


訪問診療を見据えて麻酔科を専攻


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――医師になった後は、麻酔科の道に進まれていますが、これには理由があったんでしょうか?


実は私が麻酔科に進んだ理由は、在宅で痛みを取りたかったからなんですよ。


――最初から訪問診療を見据えていたんですね。


そうです。急性期病院で研修医として働く中で、病院ではもう診ることのできない手の尽くしようのない患者さんを多く目にし、私は病院から出られた後の患者さんに興味を持ちました。そしてすぐに在宅医、緩和ケア医に興味を持つようになったんです。地域医療、在宅・訪問を初期研修で回ったのですが、そこで指導してもらった先生が麻酔科だったことも専攻の選択への影響は大きかったですね。


――在宅医を見据えての麻酔科選択はめずらしいかもしれませんね。訪問診療に対する志の高さがうかがえます。


ホームアレークリニック本院の強みは「対応の速さ」!


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――予定通り井上先生は訪問診療の道に進まれましたが、現在のクリニックではどのような治療をされているのでしょうか?


私たちのクリニックでは、バルーン管理、腎ろう管理、輸血などといった治療のほか、皮膚科の専門医が所属しているので褥瘡処置もしています。一番多い患者さんは、がん性疼痛のコントロールになります。私が元々麻酔科医なので、その技術を活かした人工呼吸器管理とか、気管チューブの交換とかも行っていますね。


――なるほど、クリニックの強みはなんでしょうか?


クリニックの強みは、「動きの速さ」が一番に挙げられると思います。クリニック全体で、とにかく対応を早めることを意識しています。急性期の患者さんは自宅に帰ると、数日、短いと数時間しか過ごせない可能性があります。そうした状況に私たちが迅速に介入することによって、家で過ごせる時間をなるべく長く取っていただきたいと考えています。

迅速に対応するためにも、ご連絡があった場合は基本的にはどんな患者さんも断らずに受ける前提でスタッフ一同がいます。相談員に連絡があった時に、医師に繋ぐまでの時間が短いことも特徴です。

当院には実際に診察を行う医師の他、ドライバー、窓口相談員、同行する訪問看護師など多くのスタッフが在籍しています。クリニック内で話しやすい雰囲気作りを大事にしているので、相談員をはじめ私を含めた医師に気軽に相談しやすく思ってくれているようです。そんなところも「対応の速さ」につながっていますね。


患者さんに信頼される理由は「フランク」で「嘘がない」から


――医師に話しかけやすい雰囲気作りには、フランクな先生のキャラクターも一役買っていそうですね。


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ありがとうございます。私は、元々医師ではない職業で社会に出ているので、医療業界以外も経験しています。こうしたキャリアもあってか、クリニックの皆さんも話しかけやすいのかなと思っています。この医師以外の社会経験があることで、患者さんや患者さんのご家族も話しかけやすくなっていると感じています。


――それは井上先生ならではの魅力ですね。先ほど患者さんの話に言及されましたが、診察の際に大事にしていることはありますか?


一番大事なことは、嘘をつかないということです。私たちが診察する患者さんは、どうしてもネガティブなニュースが多くなってしまう傾向があります。だからこそ私は伝えにくいことでも、しっかりと伝えることを意識しています。

もちろん、患者さんが伝えられたくないという事情があれば、伝えないこともあります。ただ、実際に私が正直に現状をお伝えすることで、「そこまで伝えてくれる先生でよかった」と言われることが多いですね。

本人が受け止められるようであれば、予後なども早めに伝えるようしています。早めにお伝えすることで、色々と準備ができると思うんです。


「在宅生活の味方でいたい」ホームアレークリニックの理念


――伝えにくいことをしっかりと伝えてくれるからこそ、患者さんや家族は信頼を寄せるのですね。現在も多くの患者さんに対応されていますが、今後のクリニックの展望をどう考えていますか?


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先ほど申し上げたように、患者さんからご相談いただいた場合は、基本的にはお受けする姿勢をしっかりと続けて行きたいと考えています。私たちのクリニックには「在宅生活の味方でありたい」という強い思いがありますので、ここにしっかりとコミットし、1人でも多くの患者さんに接していきたいです。

当院では、私が緩和ケアの対応が可能ということもありがんの終末期の患者さんも多くおられますが、月に1回の訪問診療から可能ですので、今後はもっともっと幅広い患者さんに対応していけたらと思っています。

「在宅生活の味方でありたい」という観点では、ガーゼや衛生材料などの物品をしっかりと提供することを心がけています。こうした物品については、法律上は「過不足なく十分な量」を提供することになっていますが、クリニックによって提供する量が違います。私たちは、しっかりと物品を提供するように心がけているので、大部分では患者さんの負担がないレベルで対応が出来ていると自負しています。


受診を検討している方・ご家族へのメッセージ


――「在宅生活の味方でありたい」という思いを1人でも多くの患者さんに届けたいということですね。最後に受診を検討している患者さんやご家族へのメッセージをお願いします。


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訪問診療を検討している皆様にとって、訪問診療を受けることは初めての経験だと思います。最初の一歩から不安を感じていると思いますが、私たち経験豊富なスタッフで皆様の応援をしていきます。不安な気持ちで構わないので、まずはご連絡をいただき、思いや気持ちを教えていただけばと思います。


――井上先生にインタビューさせていただき、1つ1つの質問にしっかりと向き合ってくれる医師だという印象を持ちました。「伝えにくいことでもしっかりと伝える」というモットーをお持ちの井上先生は、実際にお話をしている中でも、いわゆる「ぶっちゃけトーク」をしていただくシーンもあり、裏表がない方だと思います。クリニックの写真撮影をする際も、医療スタッフの方とフランクにお話されていて、普段から働きやすい雰囲気を作ってチーム力を上げているんだなと感じました。こんな先生に在宅医療の際ぜひ味方になってもらいたい、そう思ったインタビューでした。

(取材:メディコレ編集部)

井上 哲 先生

井上 哲 先生

経歴

2001年に東京工科大学を卒業し、プログラマーとしてキャリアをスタート。その後、富山大学医学部を経て、東京大学医学部麻酔科に入局し、複数の病院で麻酔科医としての経験を積む。その後3年間在宅医療のクリニックで勤務し、2023年から現職。

所属学会・認定医など

麻酔科標榜医・麻酔科専門医、がん緩和ケア研修終了

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