自毛植毛、AGA治療の名医・中島陽太先生【紀尾井町クリニック】

2024/04/24 15:00公開

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全国で1260万人いると言われているAGA(男性ホルモン型脱毛症)。最近では薬による治療の広告なども増えたので、AGAという言葉を耳にしたことがある人も多いと思います。しかしAGAの治療には服薬以外の選択肢があることを皆さんご存知でしょうか?

今回は、自毛植毛のパイオニアとして25年以上にわたってAGAと向き合ってきた紀尾井町クリニックの中島陽太先生に、自毛植毛について詳しく教えていただきました。

泌尿器科医の中島陽太先生がAGA治療の道に進んだ理由


――本日はお時間をいただきありがとうございます。早速お話を伺って行きたいのですが、中島先生は泌尿器科の専門医・指導医のキャリアから、AGAの治療の道に入られたそうですね。なぜAGA治療のプロフェッショナルになることを志されたのですか?


名称未設定


私は泌尿器科では基本的に手術を中心とする臨床に携わってきました。

泌尿器科は、治療の対象が多岐にわたり、そのうちの1つに男性学というものがあります。男性学は男性ホルモンを専門に扱っており、私が働いていた東邦大学大森病院の泌尿器科は、男性ホルモンに対する知見の深い先生が多い環境でした。こうした環境で勉強しているうちに、男性ホルモンと泌尿器疾患、AGAとの関連に対する知識が増えていきました。

最初からAGAに興味を持って勉強したというより、男性ホルモンについて勉強するうちにAGAに関して興味を持ち詳しくなっていった、という感じですね。


――泌尿器科の専門医・指導医として培った知識がAGA治療にも活きているのですね。クリニックで勤務されている中で、大学病院との違いを感じる事はありますか?


現在私が勤務している紀尾井町クリニックは2020年ごろから治療をお手伝いしていました。正式に入ったのは2021年のことで、東京本院と新大阪院を行ったり来たりしており、どちらの院でも診療、手術の担当をしています。

これまで私は大学病院で医師としてのキャリアを積んできましたので、クリニックで正式に働くことは初めてになります。大学病院ではどうしても人事異動で患者の担当を変わらざるを得ないことが多々ありました。毎年担当の医師が変わることは、患者さんとのコミュニケーションや信頼関係構築にとってはマイナスだと思います。しかし、クリニックで勤務することで、一人の患者さんに対してずっと担当をできるようになりました。

私たちのクリニックには、AGAの治療で長年通う患者さんもいらっしゃいます。自毛植毛においても2回目以降の手術を希望する人もいるので、同じ医師が担当して信頼関係が築くことは患者さんにとっても重要なポイントになると思います。


自毛植毛のFUT(ボリューム植毛手術)に自信あり


――現在のクリニックでの診療が先生の思いとも合致しているんですね。先生が行う施術で自信があるポイントを教えてください。


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私たちのクリニックで主に行っている自毛植毛は、外科的な処置が含まれます。FUT※1という手法は、後頭部の皮膚を切ってから再び縫合する必要があります。こうした手術は、外科的な手技を経験してきた医師ではないと難しいものです。私は泌尿器領域ですが、外科医として多くの手術を執刀してきました。自毛植毛と泌尿器の手術は別のことと思う人もいるでしょうが、切って縫うという処置は基本的には全ての診療科で共通する手技になります。これまでのキャリアから培ってきた技術が、現在の治療に結びついていると感じています。

※1…Follicular Unit Transplantation

また、私たちのクリニックは、自毛植毛のパイオニアであるという自負があります。植毛専門院として25年を超える実績があり、初診・再診問わず長い間多くの患者さんから選ばれてきた歴史があります。この間、多くの患者さんを治療してきたので、自毛植毛のデザインと結果についてのデータ・ノウハウが多くクリニックに蓄積されています。


AGA治療法の1つ自毛植毛とは


――患者さんから評価されて選ばれ続けないとクリニックは存続しないですからね。まさに実績に裏付けられた現在がある、というところでしょうか。先ほど先生からFUTという治療法をご紹介いただきましたが、改めて自毛植毛の治療法について教えていただけるでしょうか?


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まず、インターネットなどで植毛について調べると、人工毛植毛と自毛植毛が出てくると思います。人工毛の植毛は現在ほとんど行なわれていません。プラスチックで作られた人工毛を必要な部分に埋め込むことになるのですが、感染症になったり、頭皮がダメージを受けて壊死してしまうなどのトラブルが起きることがあるからです。ですから、日本皮膚科学会のガイドラインでも人工毛の植毛はやらないように注意喚起されています。

一方、私たちが専門としている自毛植毛は、ご自身の毛根を採取し、必要な部分に植え替えるものです。自身の細胞になるので拒絶反応がなく、感染症も起こりにくいものになります。自毛植毛には「FUT」と「FUE※2」という2つの方法があります。2つの方法とも後頭部からAGAの影響を受けにくい強い毛根を採取して必要な場所に移植するものです。違ってくるのは毛根の採取の方法です。

※2…Follicular Unit Extraction


FUTとFUEの違い。それぞれのメリットデメリット


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紀尾井町クリニックHPより


FUTはメスを使って頭皮を帯状に切り出し、毛根単位で株分けを行います。FUTのメリットはたくさん株を採れる点です。AGAで悩んでいる範囲が広い人には向いている方法になります。FUTでは上手に手術を行うと生涯に5000~7000株が採取できます。これだけ取れると、ある程度AGAが進行していった場合でもカバーできる可能性があります。

FUTの主なデメリットは、メスを使って切るので横に走る1本の線状の傷が残る点です。治療後に周囲の髪を2~3cm程度以上伸ばせば隠せますが、スキンヘッドや坊主を考えている人はお勧めできない方法になります。


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紀尾井町クリニックHPより


一方、FUEは機械を使って毛根1つずつくり抜いて移植株を作る方法になります。直径1mm前後のパンチ(鋭利な筒状の金属)で後頭部から毛根ごとにくり抜いてドナー株を採取する方法で、「くり抜く植毛」として普及しています。

FUEのデメリットとしてはFUTに比べて採取できる毛根の数が少なく、生涯に2,000~3,000株程度になります。メリットとしては、くり抜いた後には点状の傷痕が採取した分残りますが、ひとつひとつは米粒大と小さいため、髪の長さが1~2cm以上あれば傷痕は隠れやすいです。ただし、採取し過ぎてしまうと密度が低下してスカスカになってしまうリスクがあるため注意が必要です。こちらも極端に短いスキンヘッドや坊主等の髪型を考えている人にはお勧めできません。


自毛植毛がおすすめな人とFUTやFUEを受ける際に知っておきたいこと


――自毛植毛でも、希望に応じて方法を使い分けることが重要なのですね。AGA治療では、服薬治療もあると思いますが、どういう場合に植毛を実施するべきでしょうか?


生え際に対して早く効果を出したい人には自毛植毛がおすすめ


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ガイドラインによると、AGA治療ではまず薬を使うことが推奨されています。そこで効果が出なかったり、効果が不十分であったりする人は自毛植毛を検討してもらう形になります。

薬の場合は、頭頂部には効果が出やすいですが、前頭部に対しては効果が弱いことが多いです。困っている場所によって検討してもいいと思います。生え際に対して早く効果を出したい人は、早めに自毛植毛を選択肢に入れてもいいのではないでしょうか。


検討中の方が知っておきたいこと


――対象とする場所によって方法を考えるということも大事なのですね。自毛植毛手術を受ける場合は、手術の跡が残るというデメリットもあると思いますが、自毛植毛の手術を検討する方が知っておいた方がいいことは他にもあるでしょうか?


おっしゃる通り、私から患者さんに必ず伝えるのは傷跡が残ることですね。FUTを受ける患者さんから時々、手術前に髪を剃った方がいいのかという質問をいただくことがあるのですが、実は髪の毛は長くしておいた方がいいんです。FUTでは毛根を採取する場所だけバリカンで刈ってから切除と縫合していきますので、髪が長い方が手術後の頭皮を隠しやすいという理由があります。

そのほかに私から患者さんに伝えているのは、FUEを実施する場合は、最終的に採取できる毛根の数がFUTに比べて少ないため、AGAが進行してしまうとカバーができなくなってしまう可能性があることです。これはAGAが進行性であるからです。


FUEからFUTへ切り替える方もいる


――なるほど、AGAの進行度によってはFUEだとカバーできなくなってしまうのですね。ちなみにFUEとFUTは切り替えることは可能なのでしょうか?


はい、2つの施術方法を切り替えることも可能です。最初はFUEをやった患者さんが、FUTに切り替えることもあります。

実はFUTができるクリニックは全国に数えるくらいしかありません。FUEの方が新しい技術ということもあるのですが、先ほど申し上げたようにFUTは外科的な技術がある医師が在籍していないとできない治療です。また、FUTはチームで手術にあたるので、FUTに習熟した看護師など医療スタッフの確保や育成も必要になりますし、工程によってはFUEよりも関わる人数が必要になります。その他にもFUEには無いノウハウを必要とする場合がありますので、それらを一定水準以上で揃えて維持し続けることは非常に難しいことでもあります。

私たちのクリニックには、FUTを受けるためにと転院してくることも多々ありますよ。


自毛植毛のクリニック選びのポイントは「術式が選べること」「カウンセリングが丁寧なこと」


――FUTを受けることができるクリニックはそんなに少ないのですね。自毛植毛のクリニック選びのポイントはあるでしょうか?


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手術自体が重要なことはもちろんですが、カウンセリングも同程度に重要と考えております。なぜなら、カウンセリングの際にお悩みやご希望をお伺いした上で、一緒に考えた現実的な治療計画に基づき植毛デザインや手術が実施されるからです。そのため、当院では医師がカウンセリングでしっかりとお悩みをお伺いして治療計画を一緒に考えた上で、同じ医師が責任を持って手術も担当するスタイルでやっています。

また、もしご自身にとってFUTとFUEどちらが良いのかわからない・迷われているという場合は、まずは両方の術式を採用しているところでご相談されると良いと思います。治療の選択肢が広がるという事はもちろん、実際に両方の実績があるクリニックからFUT・FUEのメリットとデメリットを経験に基づいて聞く事ができますので、植毛への理解も深まりますし、ご自身にとってどちらが良いのかのイメージもより明確になってくるかと思います。


――カウンセリングも重要だというお話をいただきましたが、先生が患者と接する際に心がけていることを教えてください。


診察・診療の時に心がけているのは、メリットだけではなくデメリットや副作用やリスクなどもしっかりと丁寧に説明をすることですね。また先ほど申し上げたように、私たちのクリニックでは最初のカウンセリングから医師がじっくり時間をとって説明をします。特に最初のカウンセリングには時間がかかることが多く、1時間以上かけることも少なくありません。患者さんの悩みだけ聞いて終わることもよくありますが、植毛はしっかりと理解・納得された上で、ご自身の決定によって施術をするべきだと考えておりますので、疑問が解消するまで何度でも無料でカウンセリングを承っております。

なお、術後のアフターケアなどで、医師とやり取りをする場合もありますので、相談をしやすいかどうかもクリニックを選ぶ際のポイントだと思います。その意味でも、もし可能であれば複数のクリニックで相談をされると、よりご自身に合うクリニックが見つかるかと思います。


AGA治療には自毛植毛という治療法があることをまずは知ってほしい


――しっかりと患者の悩みに寄り添うカウンセリングは、とてもありがたいですね。今後先生はどのようなことに注力していきたいでしょうか?


名称未設定


AGAという概念は世間一般にだいぶ浸透してきたと思います。ただし、AGAに対する治療薬については浸透しているのですが、自毛植毛についてはまだまだ浸透していないと感じています。高額な治療なので気軽にできないとは重々承知しているのですが、治療の1つの選択肢としてもっと知ってもらいたいですね。そのためにも、クリニック内のコラムによる定期的な記事をはじめ、様々な発信に取り組んでいます。

髪の毛は、見た目だけではなく精神的にも非常に重要なものだと思います。たかが髪の毛と思う人もいらっしゃいますが、髪の毛があるのとないのでは人生が変わる人もたくさんいるんです。髪の毛が生えたことで人生がポジティブな方向に変わったとおっしゃる人は本当にたくさんいます。私どもは髪でお悩みの方々が少しでも自信を取り戻してほしいとの思いで1998年より実績を積んでまいりました。

髪の毛で悩んでいて、一歩踏み出せない人がいたら、まずはお気軽に相談していただきたいです。カウンセリングの際に治療の有無をお決めいただく必要はありませんし、何度でも無料で承っております。自毛植毛治療以外にも治療法があるので、お悩みをじっくりとお伺いした上で、状況やご希望なども考慮してどれが一番いいのか、提案させていただきます。一緒にご自身に合う治療法を考えていきましょう。


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――最初のカウンセリングで1時間以上も患者さんの話を聞く中島先生は、私たちの取材に対しても丁寧にわかりやすく説明をしていただきました。普段から丁寧に話をしているからこその「伝える力」と、経験に裏打ちされた「誇りと自信」があると感じました。東京本院はホテルニューオータニの敷地内にあり、窓から見える日本庭園も素敵でした。


(取材:メディコレ編集部)

中島陽太 先生

中島陽太 先生

経歴

2010年に東邦大学医学部卒業、東邦大学医療センター大森病院に初期研修開始。2012年に同院泌尿器科に入局。2021年まで外科治療をメインに従事。2021年から現在所属する紀尾井町クリニックで勤務。

所属学会・認定医など

NHT Medical Center 認定医、日本泌尿器科学会専門医・同指導医

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