「自分の家族のように患者を診る」島田秀人先生【ファミリークリニック新小岩院長】

2024/11/19 14:45公開

本ページにはプロモーションが含まれています。

厚生労働省の資料によると、2025年には29万人が在宅医療を必要とすると試算されており、終末期ケアも含む生活の質を重視した医療としての在宅医療のニーズは大きく高まっています。

とはいえ、在宅医療は終末期のみに必要とされるものではありません。もっと在宅でもさまざまな医療が受けられると知ってほしい、そんな風に思う医師もいます。

今回は、そのように思う一人でもある、ファミリークリニック新小岩院長の島田秀人先生にお話を伺いました。「人に寄り添った医療が提供できるのが魅力」と語る島田先生が、訪問診療にかける想いとは?

お話を聞いたのは

「医療」に囲まれた環境で育ち、優しさが滲み出る島田秀人先生(ファミリークリニック新小岩 院長)


――本日はお時間をいただきありがとうございます。島田先生は整形外科医として病院で勤務した後に、訪問診療クリニックで在宅医療に携わっています。医学部を卒業して14年ほど医師としてキャリアを歩まれてきましたが、そもそも医師になったきっかけはどのようなものだったのでしょうか?


島田先生_笑顔


私の母方の祖父母が医師で、埼玉県の与野で産婦人科クリニックを開業しておりました。こうした環境で育ったので、幼少期から「医療」がどういうことを指すのか、医師がどういった仕事なのかを理解する機会に恵まれたのだと思います。


――確かにそのような環境なら医師という職業への親近感は出そうですね。ご自身の考えとして意識し始めたのはいつ頃からでしょうか?


私が自らの意思で医師になろうと思ったのは中学生の時期ですね。私が進学した中学校が医師の子どもの多い学校でしたので、医師を志すということに違和感はなかったんです。「実際に医学部に行けるのだろうか…」と不安を感じる時期はありましたが、実際に医師になってみると、人に感謝されるという場面も多く、この仕事を選んで本当に良かったなと感じています。


訪問診療を始めたきっかけは「ファミリークリニック越谷」での経験


――先生は、病院で整形外科医として活躍されたのちに現在のファミリークリニック新小岩の院長として在宅医療に関わっていますが、訪問診療を始めたきっかけはありますか?


私はもともと整形外科クリニックを開業しようと思っていました。医療の中でも人と向き合うことが好きだったので、町医者が向いていると思っていたからです。病院勤務時代に、ファミリークリニック越谷の週1回勤務を始めました。この時に初めて訪問診療に興味を持ちました。実際に患者さんの家に上がって診察をする経験なんて、病院勤務時代には考えられませんでしたので、大きな学びになりました。病院の外来でしたら、患者さんとは当たり障りないことしか話しませんが、患者さんの家に上がると、人となりがはっきりと見えるんです。そこがすごく面白いと感じました。病院やクリニックの外来で行う医療よりも、さらに人に寄り添った医療が提供できるのが魅力だと思いましたね。


あとは、訪問診療というスタイルが社会的なニーズに合っていると思いました。私は専門が整形外科ですので、訪問診療には向いていないのではと最初は思いました。しかし実際にやってみると、問題なくできること、整形外科医としての経験が生かせることがわかりました。「病気」だけではなく「人」そのものを診る訪問診療医というものに、自分は向いていると思いましたね。


フットワークを活かし、「地域の困った人に対してできることを探す」クリニック


――確かに先生は物腰が穏やかで、人を安心させます。人を診ることに長けているというのは納得ですね。クリニックでは実際にどのようなことを行なっているのでしょうか?


車内の写真


慢性期疾患を持つ患者さんが多く、定期的な診察や薬の処方を主に行っています。中には心不全ですとか圧迫骨折の方もいますね。私たちがほかにできることとしては、採血や超音波検査、心電図検査などですね。あとは培養検査、コロナなどの感染症の検査も行なっています。うちで診られない、入院が必要だと判断した場合は、速やかに連携している病院にお願いすることになります。


――最近は在宅医療に注目が集まり、訪問診療クリニックの数も増えましたが、ファミリークリニック新小岩の強みはなんでしょうか?


一番は「フットワークが軽い」ということです。一般的に診療情報提供書がないと医師は対応することを嫌がります。しかし、私たちは、「地域の困った人に対してできることを探すクリニック」なので、そういったものがなくともまずは現場に行きます。そして、患者さんやご家族が何を求めているのか、何に困っているのかを一緒に考えるんです。その上で、困りごとに対してできることを探すというスタイルを大事にしています。


もちろん、患者さんのご自宅に伺った結果、訪問診療で対応するものではないこともあります。入院が不可欠であったり、私たちが直接診察・治療できないケースといった場合です。しかし、代わりに病院に連絡して段取りをつけたり、福祉サービスにつなげたりするなどで対応し、患者さんの困りごとにはできる限り真摯に向き合っています。


クリニックのスタッフにも「自分の家族が患者だったらと考えてごらん」と、あるべき姿勢について常日頃から伝えています。


職場の仲間をリスペクトできる関係性作りと、プライベートでもつながる仲の良さ


――スタッフ全体でフットワークの軽さを意識してもらっているのですね。クリニックは何人くらいスタッフがいるのでしょうか?


カンファレンス


総勢20人です。常勤の医師が5人、看護師が6人、事務員と相談員が4人、そしてドライバーが5人います。


スタッフを採用する際に必ず面接で話すのは、「お互いをリスペクトできるように行動してください」ということです。職場の仲間やお世話になる関係者に対しては、きちんと名前で呼ぶとか、他の人の業務をリスペクトする、職種でどちらが偉いなど差別しないなど、徹底して指導をしています。


――仲間をリスペクトすることは医療業界に限らず大事ですよね。職場の雰囲気はいかがですか?


職場の仲間で野球観戦に行ったりしますよ。私は野球が大好きで、小さい頃から野球少年でした。クリニックで野球が好きなメンバーと一緒に、先日は日ハムのエスコンフィールドまで観戦しに行きました。最近は一緒にキャンプに行くこともありますね。


――とてもいい関係性ですね!在宅医療に限らず、医療はチームワークが大事ですので、患者さんの立場からも、安心感があると思います。クリニックの今後の展望はありますか?


現在はありがたいことに、多くの患者さんを紹介していただいております。ただ、私たちはもっと地域医療に貢献したいと強く思っています。具体的には、対応できるエリアも拡大したい想いがあり、墨田区や江東区にも対応できるクリニックを開院予定です。該当する地域の患者さんに貢献していきたいです。


受診を検討している方・ご家族へのメッセージ


――先生の在宅医療に対する熱い想いが、お話を伺って強く伝わってきます。実際にこの記事をご覧になっている患者さんやご家族に対してメッセージはありますか?


先生インタビュー


訪問診療クリニックにかかることは、多くの方にとって初めての経験です。そのため、具体的なイメージがつかない方が多いと感じています。


これから在宅医療を検討する方にお伝えしたいのは、何に困っているかは人それぞれ違うので、まずは気軽に相談して欲しいということです。実際に私たちがご自宅に伺って患者さんの様子を確認することで、在宅医療で診ることができれば訪問診療を続けますし、医療機関に入った方がいいと思ったら病院を紹介します。


訪問診療は、終末期の医療であるイメージをお持ちの方が多くいますが、ファミリークリニック新小岩は違います。もちろん終末期の患者さんもいらっしゃいますが、そうではない患者さんもたくさんいらっしゃるんです。クリニックや病院で受けるように、医療が在宅で受けられるケースは多々あります。


ご自身の状態が訪問診療に向いていないのでは?とお悩みになったとしても、私たち医療従事者がしっかりと判断させていただくのでご安心ください。何か少しでも困っていることがあるのであれば、ぜひご相談いただきたいです。どんな形でも一緒に解決できるよう取り組ませていただきます。


――島田先生の印象は、一言で表すと「静かに情熱を燃やすタイプ」です。物腰穏やかな口調の裏側には、在宅診療にかける熱い想いがしっかりと見えていました。こうした想いは、患者さんにとっても安心材料になると思います。チームメンバー同士がお互いリスペクトしながら訪問診療に向き合うクリニックには今後も注目したいと思いました。


(取材:メディコレ編集部)

この記事の著者

おすすめ記事

https://clinic.mynavi.jp/article/katsushikaku_house-call-medicine/

インタビュー記事一覧へ戻る