コンタクトレンズを一日中着用していると、目の渇きや疲れを感じることがないでしょうか。
コンタクトレンズとドライアイは、切っても切れない関係にあります。とくに、日々の生活で目の乾燥を感じている方は、ご自身のレンズ選択やケア方法を見直すことで症状が大きく改善する可能性もあります。
今回は、目に関する幅広い領域で診療を行っている、こんの眼科の今野泰宏院長に、コンタクトレンズの正しい使用方法やドライアイの予防・対策についてお話しを伺いました。 また、同医院で視能訓練士(CO)として勤務されている菅澤さんに仕事内容や役割についてお聞きしました。
お話を聞いたのは
ドライアイとは?日常に潜む症状と原因

――本日はコンタクトレンズに関する疑問やドライアイについて、いろいろとお聞かせいただければと思います。
こちらこそよろしくお願いいたします。
――ドライアイとはどのような状態を指すのでしょうか?
ドライアイは、涙の「量」や「質」のバランスが崩れることで、目の乾燥や不快感、かすみ、眩しさなどが現れる病気です。
涙は「油・水・ムチン」の3つの成分から成り立ちますが、まつ毛の付け根にあるマイボーム腺が閉じるなどして油分が不足すると、水分が蒸発しやすくなり、目の表面の細胞が傷ついてしまいます。その結果、疲れや異物感が生じやすくなります。
――ドライアイを防ぐにはどうしたらよいでしょうか?
まずは「意識してまばたきを増やす」こと。加えて人工涙液などの点眼薬を使う、エアコンの風や乾燥環境を避ける、身の回りの環境を整えるといった日常的な工夫が有効です。さらに、現在使用しているコンタクトレンズが自分の目に適しているかどうかを見直すことも大切です。

―― 一日中コンタクトをつけていると目が乾きやすいのはなぜですか?
ドライアイはBUT(Break up Time:涙が乾くまでの時間)が5秒以下、かつドライアイの自覚症状があれば診断されます。ソフトコンタクトレンズを着けていると、目の表面の水分が蒸発しやすくなります。またレンズを装用することで角膜への刺激が減り、涙の分泌が少なくなることも乾燥の原因です。
特に、朝から夜まで長時間装用していると、角膜への刺激がさらに減り、涙の分泌量も減少するため、目が乾きやすくなります。
――コンタクトレンズの誤った使い方を教えてください。
避けていただきたい使用方法としては、以下のとおりです。
① 装用時間を守らないこと
② コンタクトレンズを装用したまま就寝すること
③ 水道水や唾液を洗浄・保存液として使用すること
④ 他人とのレンズの使い回し
⑤ 目に違和感があるにもかかわらず使用を継続すること
① ②はついうっかり行なってしまいがちで習慣化もしやすいです。③④は自ら病気になるようにする行為です。⑤は黄色信号が灯っているにも関わらず無理をして、事故を起こすような行為です。
コンタクトレンズを長年使用している方でも、視力や目の状態は変化します。定期的に眼科で検査を受けたうえで、自分ではわからない目の状態をチェックすることが重要です。目の健康を守るためにも、正しい使用と定期的な診察を心がけていただきたいですね。
――では、コンタクトレンズの正しい使い方を教えてください。
使用にあたり、以下のポイントを守ることが重要です。
● 手指を清潔にして取り扱う
● 指定されたケア用品を適切に使用する
● レンズケースを清潔に保つ
● 定期的に眼科検診を受け指示を守る
コンタクトレンズは使用方法を誤ると、重大な目のトラブルにつながる可能性があります。 正しい知識と使い方を身につけていただきたいので面倒がらずに相談してもらいたいと思います。コンタクトレンズにはハード、ソフト、使い捨てソフトなどがあります。それぞれでケアの方法は違いますので初めて使う時はもちろんのこと、慣れてきて自己流になった時こそ注意が必要で、きちんと見直していくことが大切です。
近視進行抑制治療の普及に貢献するクリニックを目指して

――先生の専門領域を教えてください。
白内障手術、ICL(眼内コンタクトレンズ)手術などの手術に加え、硝子体疾患に対する治療も行っております。硝子体手術の適応がある場合でも、手術に抵抗のある患者さまに対しては、硝子体レーザー治療という選択肢も提供しています。これらの治療は、専門的な設備と技術を要するため、全国的にも対応可能な施設は限られており、遠方から受診される患者さまも多数いらっしゃいます。
――こんの眼科の特徴を教えてください。
当院では、白内障・緑内障・硝子体手術などの高度な眼科手術に対応できる体制を整えるとともに、結膜炎の治療やコンタクトレンズの処方など、日常的な目のトラブルにも幅広く対応しています。
「眼科医療は、命を直接救うものではないかもしれませんが、目に関してはできる限り何でも対応したい」という想いのもと、患者さま一人ひとりの悩みに寄り添えるよう努めています。
さらに当院は、近年注目されている近視進行抑制治療にも早くから取り組んできました。特に「オルソケラトロジー」と「低濃度アトロピン点眼薬」の効果については、日本でいち早く臨床研究を進めてきました。 現在は全国的にスタンダードな治療法となっています。
「近視は仕方ないもの」とあきらめられていた時代から、「進行を抑えることができる」時代へ。研究を通じて医療の常識を変えようと尽力し、未来の子どもたちの視力を守る一助となったことは、当院にとって大きな誇りです。
進行してしまった方への新たな選択肢
それでも近視が強く進んでしまった場合、眼鏡や通常のコンタクトレンズでは十分に矯正できないこともあります。そうした方には、ICL(眼内コンタクトレンズ)手術が新しい選択肢となります。ICLは角膜を削らずに視力を回復できるため、強度近視やレーシックが難しい方にも適応が可能です。
もちろん、ICLは手術ですので、誰もがすぐに踏み切れるわけではありません。まずはコンタクトレンズを正しく適切に使用することが、日常生活で目を守る第一歩です。
それでも「乾燥がつらい」「仕事や学業に支障がある」など、生活の中で思うようにいかない場合には、ぜひICLについてもご相談いただきたいと思います。
視能訓練士の在籍によって実現する、全体を把握した診断体制

――それでは、視能訓練士のお仕事について菅澤さんに教えていただきます。
眼科における検査や診療のサポートを主な業務として担当しています。視能訓練士はドクターと連携しながら、患者さまの状態を的確に把握し、適切な治療に結びつくよう診療の一端を担っています。
当院では視能訓練士は9名在籍しております。お子さまからご高齢の方まで幅広い年齢層の方、そして疾患も軽度から重度までの各段階の方がいらっしゃるため、適切かつ丁寧なコミュニケーションを心がけています。
――視能訓練士が在籍する眼科のメリットを教えてください。
目の状態を多角的に評価し、全体を把握したうえで診断・治療を行うことが可能です。
特に以下の点が大きなメリットだと考えています。
・全体を見渡した診断が可能:視能訓練士の関与により、患者さまの症状や背景を踏まえた総合的な判断ができます。
・お子様への柔軟な対応:小児の検査では、年齢や理解度に応じて測定方法を工夫しながら進めることが可能です。
・多角的な視点での検査:視能訓練士は、視機能に関する専門知識を持っていることからも診断の精度が高まります。
このような体制により、患者さまがより良い方向に向かえるよう、質の高い医療提供が可能となります。
――視能訓練士が在籍していることで、より状況に合わせた診療を受けられるのですね。
あとは、相談をしやすくなるのもメリットのひとつになるよう、チームで意識して取り組んでいます。
眼科によっては、診察室のなかに入ると「なんだか、医師の方に相談しにくいな……」と、感じることもあるのではないでしょうか。こんの眼科では、医師だけでなく視能訓練士への相談も可能という点など、相談しやすい環境づくりに取り組んでいます。
――最後に、今野先生から来院を検討している方に対してメッセージをいただけますか?

こんの眼科は、目に関する小さな悩みから重度の疾患でも治療できるよう、診療体制を整えています。
検査や治療に関しては先進の機器を駆使してエビデンスに基づいたデータを取り診療しますし、患者さまの不安が残らないようきちんと説明も行います。診療はもちろんのこと、コンシェルジュ(受付担当)もできるだけ優しく丁寧に行うことを心がけております。どうぞお気軽にご相談いただきたいです。
(取材後記)
――お話を伺うなかで、今野先生の「眼科医療は、命を直接救うものではないかもしれませんが、目に関してはできる限り何でも対応したい」という言葉が印象に残っています。眼科としての使命感が、近視進行抑制の普及への貢献や相談しやすい環境づくりなどにもつながっているのだと感じました。
(取材:メディコレ編集部)
提供:クーパービジョン・ジャパン株式会社
