パソコンやスマートフォンが日常生活の中心となった今、目の乾きや疲れ、かすみなどの症状を訴える人が増えています。中でも、コンタクト装用によるドライアイや、年齢とともに進行する緑内障は、早期発見と継続的なケアが欠かせません。
岡山県笠岡市の【永山眼科クリニック】は、精密検査機器と5名の視能訓練士による精度の高い検査、そして患者さんが安心できる温かい空間づくりで、地域の幅広い目の悩みに対応。長年目の疾患と向き合ってきた永山院長に、ドライアイの原因や対処法などを伺いました。
お話を聞いたのは
ドライアイは単なる乾燥とは限らない

――本日は、パソコンやスマホの普及で悩む人が増えている「ドライアイ」について、原因や対処法を伺えればと思います。よろしくお願いします。
こちらこそ、よろしくお願いします。
――ではさっそくですが、コンタクトをつけている方は、目の乾きを感じることも多いと思いますが、その場合はどのような対策があるのでしょうか?
私の立場からお伝えすると、可能であればまずは眼科を受診していただくのが一番です。
というのも、目の乾きを感じる原因はさまざまで、必ずしも単なる乾燥だけとは限らないからです。
たとえば、アレルギーや、まぶたの油分がうまく分泌されない「マイボーム腺機能不全」など、症状が似ていて紛らわしい病気もあります。
――そうした場合は治療が必要になるのでしょうか?
はい、まずは診断をきちんと受け、その病態に合った治療を行うことが大切です。ドライアイであれば点眼薬でかなり改善できますし、マイボーム腺機能不全であれば、まぶたを温めたり、洗浄したりといったケアで良くなることもあります。
ですから「本当に乾いているのかどうか」をまず確認するのが大切ですね。
そのほかドライアイの原因には、リウマチやシェーグレン病などの全身の病気が隠れていることがあります。眼科でこういった病気が見つかってその早期治療につながることもあります。
ドライアイは日常の工夫で予防できることも

――では次に、コンタクトの正しい使い方、逆にNGな使い方があれば教えてください。
まずはケアのルールを守るのが基本です。ワンデーは1日で必ず交換、2週間タイプは2週間で交換する。それから、保存液の種類に関わらず、2週間や1か月タイプでは、こすり洗いが必須です。
――パソコン作業をされる方も目が乾きやすいと思いますが、工夫できることはありますか?
パソコンのモニターの明るさを調整することですね。初期設定のままだと、最大の明るさになっている場合もあります。明るすぎる画面は目に負担がかかり、疲れやすさや乾きやすさの原因になります。ですから、明るさはできるだけ落として、目に優しい状態に調整するのが大切です。
――スマホの明るさは普段から調整していますが、パソコンは意識していませんでした。
パソコンのモニターの位置も大切です。位置が高すぎると、目を大きく見開くことになり、その分乾きやすくなります。ですから、モニターは少し低めに設置するか、椅子を高めにして視線を下げると良いでしょう。
さらに、エアコンの風が直接目に当たらないようにすることもポイントです。風が当たり続けると、涙が乾きやすくなりますので、作業環境を少し見直すだけでも予防につながります。
がまんせず、改善しない症状は早めに専門医へ

――ドライアイとは、そもそもどのような状態を指すのでしょうか?原因もあわせて教えてください。
ドライアイとは、目の表面を覆って守る涙が不足したり、その性質が変わってしまっている状態です。涙の量が減ったり質が悪くなると、乾きだけでなく、ゴロゴロ感やかすみ目、疲れ目など様々な症状が出ます。
また、まぶたから分泌される油分が少ない場合も、涙がすぐに蒸発してしまい、目が乾きやすくなります。
――なるほど。では、ドライアイになってしまった場合は、どのように対処できますか?
症状が軽い場合は、コンタクトの種類を変えたり、ケア方法を見直すだけで改善することもあります。
――それでも改善しない場合は、どうすればいいのでしょうか?
乾きが強い場合は、点眼薬を処方して経過をみます。それでも不十分な場合は「涙点プラグ」という治療を行うこともあります。これは涙の出口を小さな栓でふさぎ、涙が目の表面にとどまるようにする方法で、短時間でできて効果も高いです。
――最近、目のケア用品をドラッグストアなどでよく見かけますが、まぶたのケアには温めと冷やしがありますが、使い分けの目安はありますか?
油分不足なら温め、炎症やかゆみが強いときは冷やすと効果的です。
精密機器×専門スタッフ×温もりある空間

――永山眼科クリニックの特徴や強みを教えてください。
自分ではなかなか意識しませんが、スタッフからは「先生はこだわりが強い」とよく言われます。そう言われると検査、診断、手術それぞれに患者さんにとってよりよいものになるよう、強いこだわりを持ってやっているなぁと感じます。他にも設備面はもちろん、インテリアも安全性と快適性にこだわりました。視覚障害のある方や車椅子の方もスムーズに診察できるようバリアフリーを重視しています。また、せっかく来ていただくのですから、待合室でもくつろいでいただき、悩みを話しやすい雰囲気づくりを心がけています。
ーー設備だけでなく、空間づくりにも強いこだわりを持たれているんですね。
検査に関しても広角眼底カメラ、OCTアンギオグラフィ、近視解析機器など、精密機器をそろえています。
特に当院には、視能訓練士が5人在籍しているんです。これはなかなかめずらしいことなんです。勉強熱心なメンバーが揃ってくれたため、一緒に検査のレベルを上げていこうと努力しています。彼らの的確な検査結果を私が総合的に判断し、診断や治療に反映しています。
――患者さんが、車や電車で1〜2時間かけて来られることもあるそうですね。
はい。岡山、倉敷エリアや福山、尾道エリアからお越しになる方も多いです。駅や港が近く、笠岡諸島からは船で通院される方もいらっしゃいます。高速道路のインターや国道2号線にも近く、アクセスの良さも理由のひとつです。また、私が岡山大学で診療していた頃からの患者さんや、そのご家族や知人が通ってくださることもあります。
――先生の専門領域についても教えていただけますか。
私の専門は緑内障と白内障です。特に緑内障は、岡山大学時代から何十年も診ている患者さんが多く、20年、30年と長期にわたって経過を見守り、その方の人生の最期まで関わることもあります。
急性期には手術が必要な場合もありますが、基本的には生涯にわたって治療を続ける病気です。
最期まで「見えていて良かった」と感じていただけるよう、将来を見据えた治療を心がけています。
――ありがとうございます。 最後に、患者さんへのメッセージをお願いします。

皆さん、何らかの不安や心配を抱えて来られますので、まずはそのお気持ちに耳を傾け、正確な検査で原因を突き止めます。そのうえで、良い方向へ進めるよう分かりやすく説明し、納得して治療を続けられるよう全力でサポートします。思うように改善しない場合でも、どうぞ気軽にご相談ください。
■取材・編集後記
「目の病気の多くは、一度の治療で改善するものではなく、長く付き合っていくもの。だからこそ、長期にわたって経過を見守りたい。」永山先生のその言葉が心に残りました。
精密機器や視能訓練士のチーム体制、そして患者さんが過ごしやすい快適な空間づくり。こうしたこだわりが、遠方からも多くの方が訪れる理由だと感じます。
「自己ケアで改善しない症状は、早めに専門医へ」。その大切さも改めて実感した取材でした。
(取材:メディコレ編集部)
提供:クーパービジョン・ジャパン株式会社
