パソコンやスマートフォンの使用時間が増え、ドライアイに悩む人が年々増えています。コンタクトレンズの装用や乾燥した空気など、原因は日常生活のなかに潜んでおり、放置すれば視力低下や慢性的な不快感を招き、日常生活にまで影響が及ぶこともあります。
今回は、下田クリニックの鈴木志保医師に、ドライアイの原因や予防法、治療法についてお話を伺いました。また、同院ならではの特色である「眼科と美容を一体で診療する取り組み」にも触れ、地域に根ざした新しいかかりつけ医のあり方を紹介します。
お話を聞いたのは
乾燥対策は人工涙液と目を温める習慣

ーーではさっそくですが、1日中コンタクトをつけていると目が乾燥してしまう人も多いと思います。そんなときの対策を教えてください。
防腐剤なしの人工涙液がおすすめです。それから、目を温めてあげるのも効果的です。目の周りの血行がよくなって、疲れ目にも効きます。マイボーム腺という油が出る場所の詰まりが改善されます。
ーー最近、目を温めるアイマスクをよく見かけますよね。実際にはどんなふうに使うのが良いのでしょうか?
市販のホットアイマスクは手軽で便利ですし、濡らしたタオルをレンジで少し温めて目に当てるだけでも効果があります。じんわり温まると血の巡りもよくなって、実際に続けている患者さんからは「気持ちよくてリラックスできる」とよく言われます。
ーーなるほど。目の乾きに効くだけでなく、リラックスもできるんですね。まさに一石二鳥ですね。
ワンデーは必ず1日で使い捨て、ケースは乾燥が必須

ーー次の質問ですが、コンタクトレンズの正しい使い方と、逆にやってはいけない使い方について教えてください。
正しい使い方の大前提は「使用期限を守ること」です。ワンデーは必ず1日で使い捨て、外したものを再利用してはいけません。2週間タイプも、使った回数にかかわらず「開封から2週間」で交換するのがルールです。
逆に、やってはいけないのはその反対で、ワンデーを数日使い回したり、2週間タイプを期限を過ぎて使い続けること。また、レンズケースも日中のコンタクトレンズ装用中の間は必ず液を捨てて乾燥させないと、カビや細菌が繁殖し、角膜炎の原因になってしまいます。
ドライアイはスマホ・PCによる瞬き減少も

ーーそもそも、ドライアイとはどのような状態を指すのでしょうか?また、原因は何が考えられますか?
涙の質や量が低下し、乾燥感や異物感など自覚症状がある状態を指します。以前は涙の量だけで診断していましたが、今は自覚症状もとても大切な判断材料になっています。
原因で多いのは、パソコンやスマートフォンを長時間使うことで瞬きの回数が減ることです。瞬きが減ると涙が出にくくなり、目の表面が乾燥してしまうんです。
ーー実際にドライアイになってしまった場合、どんなケアや治療が必要になるのでしょうか?
基本はやはり、人工涙液やドライアイ用の点眼薬を使っていただくことです。それと、コンタクトレンズの装用時間を短めにしたり、目を温めたりといったセルフケアも効果があります。
当院では点眼薬の処方が中心ですが、近年は「マイボーム腺疾患」といって、まぶたの油の分泌異常がドライアイに深く関わっていることが分かってきました。そこで、美容分野で使われているフォトフェイシャル機器を応用し、まぶたをじんわり温めて油の出を改善する治療も取り入れています。眼科領域でもきちんと認可されている方法なんですよ。
ーー美容の機器がドライアイ治療に活用できるなんて、ちょっと意外ですね。
そうなんです。患者さんからも、ドライアイの治療と美肌の治療が一緒に叶うと好評ですし、医療の進歩を実感するひとつだと思います。
ーーとても勉強になります。ところで、ドライアイは予防できるものなんですか?日常生活で気をつけたほうがいいことがあれば、ぜひ教えてください。
まず大事なのは、乾きを感じたら放置せずに点眼すること。そして、目をしっかり休めることです。パソコンやゲーム、携帯を見続けているときは1時間ごとの休憩や十分な睡眠が大切です。
最近は小学生でもタブレット学習が増えていて、ドライアイの低年齢化が進んでいます。その場合は防腐剤フリーの点眼薬を処方することもありますが、やはり一番の予防策は、30分〜1時間ごとに画面から目を離して休憩することですね。
眼科に通いながら「小ジワ」や「たるみ」も相談できる

ーーここからは、クリニックについてお伺いしたいと思います。下田眼科クリニックの強みはどんなところでしょうか?
当院の強みは、眼科の診療とあわせて美容のご相談にも対応できることです。眼科に通いながら「目の周りの小ジワが気になる」「たるみが気になる」といった美容の悩みも一緒にご相談いただけます。
私は女性医師ということもあり、そうしたお声をいただくことが多く、それをきっかけにシワの治療を始めました。最近は都内などでは眼科と美容を組み合わせるクリニックも増えていますが、まだ男性医師のところでは美容分野に対応していないケースが多いんです。当院では患者さんの悩みに幅広く応えられることが特徴だと思います。
ーー下田眼科クリニックの専門領域について教えていただけますか?
当院では、特に目の周りの皮膚トラブルに多く対応しています。赤みやカサつき、皮膚炎など、皮膚科ではなかなか扱いにくい症状についても、アドバイスや薬の処方を積極的に行っています。これは当院ならではの強みだと思います。
もちろん、開業医として幅広く診ることも大切にしています。重症例や二次救急が必要な場合は大学病院へ紹介し、基本的にはまんべんなく対応しています。
ーー最後に、病院を検討している方へメッセージを一言お願いします。

当院は、目のことも美容のことも気軽に相談できる「かかりつけ医」でありたいと思っています。一般的な眼科診療やコンタクトレンズの処方はもちろん、目の周りのシワや美容に関するご相談も喜んで承ります。ぜひ気軽にご来院ください。
ーー取材を通して感じたのは、先生の明るい笑顔とあたたかな雰囲気でした。女性ならではの視点で、眼科と美容を融合させた診療は、女性だけでなく幅広い世代の方にとっても魅力的だと思います。また、特定の専門に特化するのではなく、目のこと全般に対応する姿勢が「地域のかかりつけ医」としての信頼につながっていると感じました。
(取材:メディコレ編集部)
提供:クーパービジョン・ジャパン株式会社
