最近、「見えづらさ」や「目の疲れ」を感じている方が増えています。スマホやパソコンの画面を長時間見る生活は、目にとって決して楽ではありません。目の健康は私たちの生活の質を左右する重要なポイント。特に視力低下や眼圧異常は、早期発見・治療が肝心な病気のサインかもしれません。
今回は、スカイビル眼科の秦先生に、健康診断での眼科検査の結果が気になったときに知っておきたいポイント、健診の重要性について、お伺いしました。
お話を聞いたのは
異常なし?それとも要注意?眼科健診でわかる目の健康状態

―――お時間をいただきありがとうございます。今回は眼科健診をテーマに、先生のご見解をいろいろとお伺いてきますと幸いです。よろしくお願いいたします。
こちらこそ、よろしくお願いいたします。
――最近、健康診断を受けたら眼科検査で異常が見つかったのですが、そのまま放置しても大丈夫でしょうか?
健康診断で「視力が落ちていますね」「眼圧が少し高いです」と言われると不安になりますよね。実際、健診で異常が出るのには何かしら理由があります。
たとえば、視力低下が指摘された場合、本当に視力が落ちていることもありますが、メガネやコンタクトの度数が合っていないだけということもありますし、検査の誤差という場合もあります。健診はあくまで「異常がありそうかを見つけるスクリーニング」なので、眼科で改めて矯正視力をきちんと測り直すことが安心につながります。
また、健診の結果は多くの場合、眼科医が判断しています。つまり、「異常あり」とされたのは、その先生が何か気になる所見を見つけたからです。本当に治療が必要なのか、それとも経過観察でいいのかは、眼科で精密検査を受けないとわかりません。放置せず、必ず一度眼科で診てもらうことをおすすめします。
―――視力低下で引っかかった場合、どんな病気が隠れていることが考えられますか?
視力が落ちている背景には、いくつかの原因が考えられます。
メガネやコンタクトの度数が合っていない。特に中高年の方では、このケースが多いです。適切な度数に合わせるだけで改善することがあります。そのほか、白内障、緑内障、加齢黄斑変性症などの加齢の伴う目の疾患の可能性もありますし、網膜静脈閉塞症のような網膜の血管が詰まり、血流が悪くなることでも視力が低下します。こうした病気は専門的な検査でなければ見つけられないことも多いため、健診で異常を指摘されたら必ず眼科を受診してください。
眼圧が高い、中間透光体に混濁…それって大丈夫?

―――眼圧で引っかかった場合、どんな病気が隠れていることが考えられますか?
健診などで「眼圧が高い」と言われると、まず心配になるのが緑内障です。確かに眼圧の上昇は緑内障のリスクにつながりますが、必ずしも病気とは限りません。
たとえば、角膜が厚い人は、実際よりも高く測定されてしまうことがあります。このような場合は「高眼圧症」と呼ばれ、必ずしも緑内障とは診断されません。眼科では角膜の厚みを測定し、それをもとに「補正眼圧」を算出して、本当に高い眼圧なのかどうかを正しく判断します。
緑内障の診断は「眼圧だけ」ではできません。緑内障かどうかを診断するには、複数の検査を組み合わせて総合的に判断することが必要です。視神経の形やダメージをチェックする眼底検査。視神経や網膜の厚みを精密に測るOCT検査。見える範囲に欠けがないかを確認する視野検査など、これらを総合的に評価することで、初めて「緑内障かどうか」を正しく診断できます。
緑内障は、自覚症状が出るころにはすでに進行していることが多い病気です。視力低下などの症状が出てからでは手遅れになることもあるため、定期的な健診で早期に発見することがとても重要です。
―――中間透光体混濁で要受診となりました。聞きなれない言葉なのですが、どんな病気が隠れていることが考えられますか?
健診などで「中間透光体混濁」と書かれていると、不安になる方もいらっしゃいます。これは専門的な表現ですが、必ずしも深刻な病気を意味するわけではありません。
「中間透光体」とは、角膜から網膜までの光の通り道(角膜・水晶体・硝子体など)を指します。この部分に濁りがあると、眼底写真が鮮明に撮れません。そのため、小さな瞳孔や撮影条件の影響でうまく写真が撮れなかった場合にも、この診断名が付くことがあります。
ただし、実際に混濁を起こす代表的な原因としては以下のようなものがあります。
• 白内障:水晶体の濁りによるもの。最も頻度が高い原因です。
• 硝子体混濁:出血や炎症、変性などで硝子体が濁る場合。
• 角膜混濁:角膜に傷や病変がある場合。
そのため、眼科では詳しい検査を行い、本当に異常があるのかどうかを確認する必要があります。
自覚症状がなくても要注意!年1回の眼科健診が守る視力
―――目の健診はどのくらいの頻度で行うのが良いのでしょうか?
「見えているから大丈夫」と思っていても、実はそうとは限りません。病気の中には、初期のうちは自覚症状がほとんど出ないものが多いのです。だからこそ、年に一度は定期的に目の健診を受けることをおすすめします。
たとえば、緑内障や加齢黄斑変性症といった病気は、かなり進行するまで気づかないことが多く、健康診断で初めて指摘されるケースも少なくありません。
症状が出る前の段階で病気を見つけることが大切です。早めに発見して、早めに治療につなげることで、将来の視力を守ることができます。
創業55年の歴史と進化―スカイビル眼科が支える世代を超えた目の健康

―――スカイビル眼科の歴史や特徴について教えていただけますか?
スカイビル眼科は、横浜駅直結というとても便利な場所に開院してから、もう55年以上にわたって地域のみなさんの目の健康を守ってきました。
開院当初から「いつでも気軽に通える眼科」を目指して、元日以外は年中無休で診療。お昼休みもシフト制でスタッフが対応しているので、忙しい方でも受診しやすい体制を整えています。
診療内容も年々広がり、白内障や緑内障といった高齢の方の病気はもちろん、小児の近視進行抑制やICL手術といった若い世代に向けた先進医療まで幅広く行っています。さらに、新しい検査機器や手術装置を積極的に導入し、「精度の高い医療」を提供できるよう心がけてきました。
これからも、子どもからご高齢の方まで、世代を超えて通っていただける眼科として、地域に根ざした医療を続けていきます。
―――先生の専門領域や注力されている分野について、教えてください。
現在、大学の非常勤講師としては網膜硝子体の分野を指導しています。もちろん、これまでに屈折矯正や白内障手術にも力を入れてきました。
ただ、私は「この分野しかやらない」というスタイルではなく、あえて専門を一つに絞らない主義なんです。患者さんによって困っていることは本当にさまざまなので、どんな症状にもオールマイティに応えられる眼科医でありたいと思っています。
また、幅広い分野に関わることで、自然と眼科医同士のつながりも広がりますし、何より自分自身がとても楽しく学び続けられるんです。そうした姿勢を大切にしながら診療や研究に取り組んでいます。
―――最後に読者へ向けてメッセージをお願いします。

目は、私たちの生活に欠かせない大切な臓器です。いったん失ってしまった視力を取り戻すのは簡単なことではありません。だからこそ、ちょっとした違和感でも我慢せずに、ぜひ専門医にご相談ください。
スカイビル眼科では、ICL(眼内コンタクトレンズ)や近視進行抑制治療など、新しい眼科医療を積極的に取り入れています。私たちは皆さまの「一生の見える」を守るために、スタッフ一同、いつでもお待ちしています。ぜひご来院ください。
■取材・編集後記
スカイビル眼科はアクセスの良さはもちろん、患者さん本位の診療体制と様々な医療機器、そして確かな技術で、多くの患者さんの目の健康をしっかり支えています。
秦院長はわかりやすい言葉で、時にユーモアを交えながら答えてくださいました。スカイビル眼科が、多くの患者さんから信頼される理由がここにあります。
(取材:メディコレ編集部)
提供:クーパービジョン・ジャパン株式会社
