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「住み慣れた場所で、その人らしく」幼少期の原体験が導いた地域医療への道【あさり内科クリニック 浅利 博基 院長】

2026/04/24更新

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「気軽に相談できる場所を作りたかった」。穏やかな笑顔でそう語るのは、静岡市清水区で内科・脳神経内科を営む「あさり内科クリニック」院長の浅利博基先生です。

総合病院で長年にわたり脳神経内科医として研鑽を積んだ後、4年前に「あさり内科クリニック」を開業されました。高性能CTを備えた外来診療に加え、24時間対応の在宅医療にも力を入れています。「頼まれたら断れない性格なんです」と照れくさそうに笑う浅利先生の原点には、幼少期のある体験がありました。

地域のホームドクターとして患者に寄り添い続ける浅利先生に、医師を志したきっかけから在宅医療への想い、そして今後の展望まで伺いました。

お話を聞いたのは

  • 浅利 博基

    浅利 博基

    あさり内科クリニック 院長

    大分大学出身。浜松医科大学で初期研修を経て、静岡市立清水病院にて勤務。2022年に清水区村松原に『あさり内科クリニック』を開院し、院長に就任する。

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「救ってくれた先生のようになりたい」――気管支喘息との闘いが医師への道を開いた


――本日はお時間をいただきありがとうございます。先生が医師を志したきっかけを教えてください。

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幼少期に気管支喘息を患っていまして、発作が起きるたびに本当に苦しい思いをしていました。その時にかかっていた先生がとても優しくて、子どもながらに「この先生が好きだな、憧れるな」という気持ちを抱いていたんです。

喘息の治療がどんどん進歩して、自分の症状も良くなっていく。その過程を身をもって体験したことで、医学そのものに興味を持つようになりました。


――先生への憧れと、医学の進歩を実感されたことが重なったのですね。


そうですね。今思い返すと、40年ほど前のことですが、発作が起きた時に子どもながらに先生のご自宅に電話をかけてしまったことがあるんです。そうしたら、先生が家まで来てくださった。今の自分にそれができるかというと、なかなか難しいなと思いますね。でも、その先生の姿がずっと心に残っていて、「自分も同じように誰かを助けられる医師になりたい」と思うようになりました。


――その想いを胸に、医学部を目指されたのですね。


はい。ただ、受験は本当に大変でした。なかなか難しかったのですが、なんとか合格して、浜松医科大学に進学しました。幼少期からずっとお医者さんになりたいという気持ちは変わらなかったですね。紆余曲折はありましたが、その想いが支えになりました。


「もっと患者さんの近くで」――総合病院から地域のクリニックへ

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――大学卒業後は総合病院に勤務されていたと伺いました。


はい、静岡市立清水病院で脳神経内科の医師として長く勤務していました。救急から急性期、慢性期まで、さまざまな患者さんを担当してきました。やりがいのある仕事でしたが、大きな病院ではどうしても一人の患者さんにかけられる時間が限られてしまうんですよね。


――その経験が開業につながったのでしょうか。


そうですね。総合病院で働く中で、「もっと患者さんの近い場所で、身近に気軽に相談できる場所を作りたい」という想いが強くなっていきました。病気を治療することはもちろん大切ですが、日々のちょっとした体調の変化や不安に耳を傾けて、大きな病気を未然に防ぐことの重要性を実感してきたんです。


――なぜ清水で開業されたのですか。


清水には初期研修の頃からいますので、もう20年以上になります。この地域にはとても愛着を感じていますし、生まれ育った静岡の近くで地域医療に貢献したいという想いがありました。実は私、ドリームプラザには毎週のように行くんですよ(笑)。清水は海の幸も美味しいですしね。


――お勤めになっていた清水病院との連携も続けていらっしゃるそうですね。


はい、水曜日は清水病院で外来を担当しています。クリニックで対応が難しい場合には、清水病院で検査や治療を行うこともありますし、総合病院との連携はとても重要視しています。地域のかかりつけ医として、必要な時には適切な専門医療につなげられる体制を整えておくことが大切だと考えています。


「通えなくなっても、そばにいたい」――24時間体制で患者を支える在宅医療

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――在宅医療を始められたきっかけを教えてください。


脳神経内科医として診療する中で、パーキンソン病などの神経難病の患者さんが、病気の進行とともに通院が難しくなっていく姿を多く見てきました。体がだんだん動かなくなっていく中で、無理をして来院される方も少なくなかったんです。

「来るのが大変なら、こちらからお家に伺いましょう」という形でスタートしたのが最初です。


――現在はどのような体制で在宅医療を行っているのですか。


始めてみると、在宅医療へのニーズがとても多いことがわかりました。認知症や神経難病の患者さんだけでなく、整形外科疾患の方や、がんの終末期の方など、少しずつ対象が広がっていきました。
今は24時間体制で電話を受けられるようにしています。調子が悪ければお家に伺いますし、場合によっては救急車で搬送することもあります。その場でできることがあれば、できる限りその場で対応して、お看取りまで丁寧にサポートできればと思っています。


――24時間対応というのは、先生ご自身の負担も大きいのではないですか。


たしかに大変な部分もありますが、一人でやっているわけではないんです。私以外に常勤の医師が1名、非常勤の医師が2名いますし、在宅医療の部門には相談員が3名と看護師、事務スタッフがいます。形成外科や整形外科の専門医もいますので、褥瘡(床ずれ)や外傷、整形外科的な疾患にも対応できます。がんの終末期の患者さんも診ることができますし、チームとして幅広い病気に対応できる体制を作っています。


――在宅医療で大切にしていることは何ですか。


患者さんやご家族がどんなことを希望されているのか、まずそれをしっかり聞くことを第一にしています。治療のことだけでなく、生活背景も含めてお話を伺って、無理のない治療方針を一緒に考えていきたいんです。
大きな病院では難しかった、日々のちょっとした不安にじっくり耳を傾けること。「こうしてほしい」というニーズを汲み取って、できるだけそれに応えていくこと。そういう対話の姿勢を大切にしています。

――在宅医療にやりがいを感じていらっしゃいますか。


はい、とてもやりがいを感じています。最近は楽しくなってきたというか、熱心に取り組んでいますね。目の前に困っている患者さんがいて、その方のために精一杯のことをしてあげたい。そして、「ありがとう」と言っていただけた時の喜びは、何物にも代えがたいものがあります。


本屋巡りと世界史が息抜きに――「頼まれたら断れない」医師の素顔


――お忙しい毎日だと思いますが、趣味やリフレッシュ方法はありますか。


読書が好きなんです。暇な時間があれば本を読んだり、本屋さんをうろうろしたりしています。本屋さんにいると、なんだか落ち着くんですよね。


――どんなジャンルの本を読まれるのですか。


歴史が好きで、特に世界史ですね。古代ギリシャ・ローマの時代や、ルネサンス以降のヨーロッパの歴史に興味があります。読んでいて「あ、そうだったんだ」とわかった瞬間が楽しいんです。新しい発見があると嬉しくなります。


――先生のお人柄について、ご自身ではどう思われますか。


うーん、なんでしょうね。「頼まれたら断れない」ような性格でしょうか。大きな使命感というよりは、目の前に困っている患者さんがいたら、その方のために何かしてあげたいという気持ちが自然と湧いてくるんです。気がついたら、在宅医療もどんどん広がっていました(笑)。


「住み慣れた場所で、穏やかに」――患者・ご家族へのメッセージ

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――最後に、患者さんやご家族へメッセージをお願いします。


通院が難しくなったとしても、住み慣れたご自宅で、ご自身のペースで穏やかに過ごせる時間というのは、本当にかけがえのないものだと日々感じています。 

患者さんご本人はもちろん、日々支えておられるご家族の皆さまが、少しでも安心して毎日を送れるように、医療の面からお力になれればと考えています。
当院は15歳以上の方を対象に、内科全般から脳神経疾患まで幅広く診療しています。土曜日の午後も診療していますので、お仕事をされている方もご来院いただきやすいと思います。コロナやインフルエンザなどの感染症にも対応していますし、ちょっとした体調の変化でも、気軽にご相談いただければ嬉しいです。


《編集後記》

インタビューを通じて印象的だったのは、浅利先生の穏やかな語り口と、その奥にある熱い想いでした。

「頼まれたら断れない」という言葉どおり、目の前の患者さん一人ひとりに真摯に向き合う姿勢が、24時間対応の在宅医療という形で実現されています。

本屋巡りや世界史の話をする時の少年のような笑顔と、患者さんへの想いを語る時の真剣な眼差し。その両面を持つ浅利先生だからこそ、地域の「頼れるかかりつけ医」として信頼を集めているのでしょう。



(取材:メディコレ編集部)

あさり内科クリニック(静岡県静岡市清水区清水駅)

  • 診療時間・内容等について、事前に必ず医療機関にご確認ください。
  • 内科
  • 神経内科
住所
〒424-0934 静岡県静岡市清水区村松原3-3-10
最寄り駅

JR東海道線(熱海~浜松)【清水駅】車10分

駐車場
無料:16台
訪問診療対応エリア

静岡市清水区

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