普段の診療ではなかなか聞くことのできない、仕事への考え方や人生の歩み。その言葉から見えてくるのは、医療の世界だけにとどまらない、私たち自身の仕事や生き方のヒントにもなるのではないでしょうか。
本シリーズでは医師一人ひとりの素顔に迫ります。
プロフィール
| 出身地 | 山口県生まれ、大阪育ち |
|---|---|
| 趣味・休日の過ごし方 | 大型バスの運転です。大型免許を持っており、人を乗せるというより、運転そのものを楽しんでいます。 |
| 最近ハマっていること | 大型バスを停められる駐車場探し |
| 好きな言葉(座右の銘) | 為せば成る 為さねば成らぬ 何事も 成らぬは人の 為さぬなりけり |
| リフレッシュ方法 | 寝ること |
| 子どものころの夢 | 運転手です。大型バスに限らず電車や船など、大きな乗り物を運転してみたいと思っていました。 |
| 学生時代に熱中したこと | ボウリング部での活動です。体育会系の雰囲気の中で、先輩や後輩との関わりを学びながら、仲間との交流も楽しんでいました。 |
Q1. 医師を志したきっかけや現在の診療につながる原体験を教えてください。
現在の診療につながる原体験として、祖母のことが強く印象に残っています。祖母が食事を取ることが難しくなり、次第に衰弱し、その後、認知症になっていく姿を身近で見てきました。その経験を通して、ご飯を食べることは、人が生きていくうえで欠かせないものだと強く感じました。食事が取れなくなることは、単に栄養を取れなくなるだけではなく、その後の生活や、その人らしく生きていくことにも関わるのだと思います。祖母の姿を見ながら、「何とかしてあげたい」と思ったことが、食べることを歯科医療の立場から支えたいと考える原点になっています。現在、歯科医師として高齢の方への訪問歯科診療に携わっているのも、この経験があったからこそです。通院が難しい方や食事に困難を抱えている方と向き合い、歯科医療を通じて食べることを支えていくことに、当時の思いがつながっています。
Q2. 患者さんと向き合ううえで大切にしていることは何ですか?
例えば高齢の方や認知症の方など、ご本人の訴えをこちらが十分に理解できない場合でも、「痛みはない」「見たところ何もない」と、こちらの判断だけで決めつけないことを大切にしています。見た目には明らかな異常がなく、医学的、歯科的に問題がないように思える場合もあります。しかし、ご本人が痛みや違和感を訴えているのであれば、そこには何かしらの理由があるのだと思います。こちらからは分かりにくいことであっても、ご本人は実際に何かを感じ、それを伝えようとしているのかもしれません。そのため、目に見える異常がないことだけを理由に「問題はない」と断定するのではなく、訴えの背景に何があるのかを考えるようにしています。こちらがすぐに理解できない場合でも、ご本人が感じている痛みや違和感を否定せず、「何かあるのだろう」という意識を持って患者さんと向き合うことを大切にしています。
Q3. 医療に携わるうえで感じるやりがいは何ですか?
患者さんは、痛みや違和感など、何かしらの不調を抱えて受診されます。治療や処置をしたことだけではなく、その結果として患者さんの状態がよくなり、ご本人から直接感謝の言葉をいただけると、歯科医療に携わっていてよかったと心から思います。やはり患者さんから直接いただく感謝の言葉が、たとえ一言であっても、日々の診療に向き合う一番の活力になっていますね。
